Tuesday, July 19, 2005

調布市教委に要望書提出

 調布市民による「調布・子どもと教育を考える市民会議」は、19日午後、関口正昭教育委員長にあてて、「扶桑社版歴史、公民教科書を採択しないように」と、次のような要望書を提出した。

 「つくる会教科書」については、「日本の歴史認識を誤らせる」と、アジア諸国から声があがっているのは既に知られているとおり。「つくる会」は調布、府中、世田谷、杉並などを重点的に狙っているといわれているが、調布は外国人も多い文化の町。その調布でこうした教科書が採択されることになれば、コミュニティとしても市民としても、信頼を失ってしまう問題でもある。
 27日から始まる集中教育委員会に、多くの市民が注目し、声を集中させること、傍聴活動を広げることが改めて求められている。
 
 要望書の全文は次の通り。

 調布市教育委員会
   教育委員長  関口正昭 殿

  ◎世界に恥じない、歴史の批判に耐えうる教科書採択を求める要望書

 多くの市民が注目する中学校教科書の採択が近づいてきました。なかでも強く懸念をもって注視されているのは、「新しい歴史教科書をつくる会」のメンバーが執筆した扶桑社版歴史・公民教科書が、この調布で採択がされてしまうのではないか、ということです。 私たち「子どもと教育を考える市民会議」は、調布の子どもたちが学ぶ教科書として、扶桑社版教科書は最もふさわしくない教科書であると考えます。

 扶桑社版歴史教科書では、中国・朝鮮半島をはじめアジア各地の多くの人々の命を奪い、その生活を破壊した近代日本の戦争を、日本の自衛のための戦争・アジアを欧米の植民地支配から解放する戦争として描いており、相互の信頼にもとづく友好関係ひいては平和なアジア社会を創造していく子どもたちを育てることができないのは明らかです。 

 また、扶桑社版公民教科書では、大日本帝国憲法を高く評価する一方で、日本国憲法の人類史的価値にふれることなく、戦争放棄・軍隊不保持の日本の平和主義が問題であるかのような記述によって、憲法改正が不可避であるという結論に子どもたちを誘導しようとしています。これを用いて授業を行う教員は、公務員としての「憲法遵守義務」を果たすことができません。

 さらに、調布には、外国籍の方も多く居住し、市内の学校で学ぶ外国籍の子どもも少なくありません。歴史を学ぶことは「みなさんと血のつながった先祖の歴史を学ぶということ」と規定する扶桑社版歴史教科書では、外国籍の子どもたちと共に学びあうことができません。1990年3月に国際交流平和都市宣言もしている調布市にとって、扶桑社版教科書がふさわしくないことは明らかです。

 特定の教科書をあげてその不採択を求めることは私たちの本意ではありません。しかし、戦後の歴史学や歴史教育の積み上げてきた学問的・教育的成果をふまえ、歴史の事実を学ばせようとする他社の歴史教科書と扶桑社版歴史教科書とは、編集方針が根本的に異なっています。
 また公民教科書も、現代の諸課題を国民主権・恒久的平和主義・基本的人権の尊重という日本国憲法の理念に基づいて解決していく力を育もうとする他社教科書との違いが際だっています。
 私たち「子どもと教育を考える市民会議」は、教育委員の皆様が不当な圧力に屈することなく、高い見識と良識を発揮され、全国に、そして世界に恥じない、歴史の批判に耐えうる教科書採択を行うことを強く求めるものです。

  2005年7月19日
               調布・子どもと教育を考える市民会議 
                               代表 富永信哉

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