Friday, July 29, 2005

採択の方法を変更 -ルポ・7.27調布市教育委員会

 採択の方法を変更
    ルポ・7月27日、調布市教育委員会
 
 どの委員がどの教科書を支持しているか、分からないように…。
 7月27日行われた調布市教育委員会の教科書採択の審議は、扶桑社版「つくる会教科書」の手段を選ばない攻勢の中で、圧力を警戒し、しかし、だれも責任を問われないように、という配慮が働いたのだろうか。4年前とは全く違ったやり方で行われた。討論では、市民の良識が反映してか、扶桑社版「つくる会教科書」を支持する意見は少数のように見受けられたが、候補には残されたが、予断を許さない情勢。傍聴の大事さを痛感させた。 
 
 傍聴席に80人

 台風一過、夏らしい青空が広がった朝。グリーンホール小ホールの教育委員会に集まった市民は約80人。今回、委員会に陳情を出した「つくる会」支持の人たちもちらほら。10時に始まった委員会は、まず「国語」、「書写」で、注目の「社会」は午後1時から始まった。
 そこで驚かされたのが、決め方。4年前と違って、8社の中から、無記名投票で、まず3社に絞り込んで、そこから、最終日に1社に決定するという方式が決められた。
 各教科ごとに審議の後、5人の委員に投票用紙を配り、回収して発表。5人の委員のうち誰がどこの教科書会社を選らんだかわからないやり方だ。

 扶桑社版の偏りは明らか

 まず「歴史」から、教科の調査を担当した委員長(その教科を専門にしてきた教師の中から選ばれ、どこかの校長がそれに当たるのが普通)が評価の観点を説明して、1社ずつ、どういう特徴があるかを説明した。ただ、この説明も教科書の内容ではなく、たとえば扶桑社なら、「『人物コラム』があり、他社にない取り上げ方をしている」と紹介された。
 そして、その後5人の委員との質疑応答が行われた。「脚注の扱いはどうなっているか」「歴史上の人物、文化遺産の取り上げている数が多いところと少ないところの差が大きいが、多いところは負担過重にならないか」など。ほとんどが教科書の内容ではなく、「どんな構成か」「読みやすいか」などの質問に終始。唯一、仙名委員が「見ただけでは特徴がわからない、扶桑社は近、現代が項目が2つしかなくて偏りがある」と発言したのが印象的だった。
 30分ほど後には同じようなやり方で「公民」の審査に。ここでは、説明の後の質疑で、関口委員長が「扶桑社の教科書は国旗、国家を取り上げているが、他はどうか」という質問があったのが目立った。

 「国際協調が大切」の意見も

 前述のように、無記名投票だったが、歴史では、東京書籍が満票、日本書籍、清水書院、日本文出、扶桑社、帝国書院が同じ2票だったため、5社を候補に残し、公民では、やはり東京書籍が満票、だったが、日本書籍が 3票、扶桑社が2票で、この3社が候補に残された。
結果的に東京書籍が全員からの支持を受けていることがわかり、委員の発言でも、扶桑社批判と受け取れる発言が多く、「歴史では国民としての自覚と国際協調が大事で、なかでも国際協調が重要」(新田委員)との発言もあった。

 賛成の委員は良心に恥じないか

 しかし、2人の委員は扶桑社版についても、少なくとも候補にすることを支持している。
 「歴史」では、「神武天皇の東征伝承」や、中国侵略を書く代わりに「排日運動が活発になった」ことを強調し、かつての戦争が「アジア解放戦争」であったかのような記述をし、「公民」では、「押しつけ憲法論」や「改憲論」を強調する教科書…。
 こんなものを子ども達に渡して、教育者として、市民として、良心に恥じないのだろうか? 子ども達を一体どんな色で染め上げたいのか? 

 教科書採択審議は、引き続いて1日、5日に行われる。

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