Saturday, August 27, 2005

調布にも「学校選択制」  本当にその方がいいのか?

  調布にも学校選択制

     「学校教育充実プラン検討委員会」で検討
     ずさんな意見聴取、非民主的な決定

 4年に1度の教科書採択は終わったが、調布市は、2年後2007年、小、中学校の学区をやめて、「学校選択制」を実施する方向で動き始めている。すでに、「学校教育充実プラン検討委員会」で討議が始まっているが、公募委員によると、「いつ、どこで、どうやって」決めたか分からないまま決定されたようで、今後一層の「監視」が必要だ。
 「学校選択制」は、学区制度をやめて、子ども、保護者が区、市内の公立の小、中学校を「選択」できるようにするという仕組みで、23区では品川、荒川、台東、板橋などで既に実施され、これと連動して、今までできなかった小規模校の廃校が急速に進んでいる。

  委員会で実施すると答えたから決定?
 
  「学校教育充実プラン検討委員会」は、委員20人。市民公募委員は4人で、7月から委員会が始まった。委員会は「学力向上」「豊かな心の育成」「個性伸長」という3部会に分かれているが、この「学校選択制」は、「個性伸長」部会で討議。

  第1回の委員会で、「学校選択制はすでに決まったことなのか」との質問に、事務方は「いいえ、これはまだ決定されたことではありません、この委員会でみなさんに討議していただきます」といっていたのに、8月23日の2回目の委員会では、最初に「学校選択制は既に決められたことです。19年度から実施予定です」と答弁が変わり、「いつ、どこで決められたのか、」との質問には、「15年度、16年度の市議会において、学校選択制の早期実現について、質問(要望)があり、教育長が実施すると答弁した。保護者から長年要望があった。アンケートを実施したら、90%近くの保護者が賛成した」と説明された。
 これに対し、保護者代表のP連副会長の委員が、「私は子どもが○○中学にいるが、学校選択制の話は今まで1度も聞いたことがない。説明も受けたことがない、保護者は何も知らされていない」と発言もあったが、そのまま進行。「資料」の説明があった。

 ひどいアンケート
 
 公開された資料は、子育てに関して、小中学生を持つ親、約2500人に聞いたというもので、子育て関するいくつかの質問に混じって、突然「学校選択制についてお伺いします」という項目が出てきている。
 それによると、質問は「他の自治体で、実施している『学校選択制度』は通学区域制度を維持しながら、小、中学校の新1年生を対象として、その保護者や本人の希望によって、入学前に別の学校を選択することができるという制度です。各自治体ごとに選択する条件等を設定し、その方法も『隣接校制度』『ブロック制度』『全市域から選択』などとわかれます」と説明、「学校選択制度の導入に賛成ですか 」と聞き、あてはまるもの1つに○)を付けさせている。選択肢は、1是非導入すべき  2条件によっては導入すべき  3あまり導入すべきとは思わない 4導入すべきではないの4択。
 このアンケート調査の結果、「多くの市民が賛成した」という根拠にしている。

 「とりあえず小学校はない」と答弁

 このため、委員からは「調布市は既に実施した学力テストの学校ごとの点数を公開し、学校の格差をつけようとしているのではないか。学校が地域で果たす役割は大きい。今は中学校の選択制だが、次は小学校に導入されるのではないか心配だ」と質問が出されたが、これに対しては、「子どもが減少している区部とちがい、調布市は子どもが増えている、小学校で導入することはとりあえず考えていない」との答えだった。
 部会の構成は教育委員会の事務方1人、校長3人(中学校長2、小学校長1)、P連副会長、学識経験者(市内幼稚園園長で、元校長)、障害児親の会代表、公募委員の計8人。

 「あまりにも乱暴」に反対論なく…

 24日に開かれた全体の委員会でも、「学校選択制導入」のような大きな問題を現場の先生や、保護者の声も聞かずに19年度から実施というのは、あまりにも乱暴だ。そんなやり方はおかしいと」何度も発言したのですが、委員からは反対の意見はなく、このまま委員会を継続し、3月には答申を出すという方向が確認された。
 学校選択制は「初めに結論ありき」が明確。検討委員会は「市民のみなさんの意見は聞きましたよ」というポーズだということがはっきり見えた。
                    (庄司洋子)

 

愛媛県教委が「つくる会」歴史教科書を採択

    ◎愛媛県で「つくる会」教科書採択
         知事は元文部官僚、全委員一致
  
 愛媛県教育委員会は26日、定例会を非公開で開き、県立中高一貫校3校(生徒数約480人)と県立ろう・養護学校で来春から使う歴史教科書を「新しい歴史教科書をつくる会」が主導した扶桑社版に決めた。
 愛媛県教委は2001年にろう・養護学校で、02年に中高一貫校で扶桑社版の歴史教科書を採択している。
 報道によると、この日県庁前には、扶桑社版の教科書に反対する市民グループが座り込み、採択反対をアピール。委員会には賛成派も多く傍聴希望に訪れたが、会の冒頭で審議を非公開で行うことが決められ、抽選で選ばれた6人の傍聴者は退席。委員会の審議は約2時間で終了した。
 終了後、井関和彦委員長は、「日本独特のすばらしい文化や歴史上の人物を多く取り上げてあり、生徒が歴史に対する関心を持てる」と採択理由を説明。「子どもたちが自国に誇りと愛着を持ってほしいとの願いを込めて選んだ」と話した。委員からは「事実の羅列ではなく物語風に書かれ、生徒の興味を高める」「文化、人物の記述で質量ともに他社より優れている」などと扶桑社版を評価する意見が出されたとのことで、採択は6人の委員の満場一致で決定。反対は全くなかったという。
 扶桑社版はほかに栃木県大田原市や東京都杉並区が採択、東京都立の中高一貫校や養護学校なども使用を決めている。
 なお、同県の加戸守行知事は、元文部省官房長。その後、日本芸術文化振興会理事長、日本音楽著作権協会(JASRAC)理事長などを務めて1999年、愛媛知事選に立候補、当選。以来2期目。


 

Wednesday, August 24, 2005

調布・市民会議が報告集会  9.16 たづくり

  「子どもと教育市民会議」が報告集会
     9月16日(金)6時半、たづくり1002号

 「調布・子どもと教育を考える市民会議」は、9月16日、今回の教科書採択の経験と問題点を話し合う集会を9月16日夜、「たづくり」10階の学習室で開くことを決めた。
 会は「調布の教科書はいかにして選ばれたか? ~「つくる会」教科書は再度阻止したけれど~」と題し、①全国、都内の情勢②市民会議の取り組み③教科書はどうやって選ばれたのか④教育委員が選んだ教科書はどんな教科書か-を報告、「今後の運動の課題」を話し合う。
 市民会議では多数の参加と発言を期待している。
 
 ことしの教科書採択では、扶桑社版「つくる会」教科書は、東京都立の中高一貫校、杉並区、大田原市で採択されたが、「つくる会」側が狙っていたと言われる世田谷区、三鷹市、武蔵野市などでも、扶桑社版「つくる会」教科書は採択されず、全国では10%、東京では50%の採択としていた「つくる会」の目標が達成できないことは、ほぼ間違いない情勢となっている。

 このことは、よほどの「確信犯」の教育委員で固めない限り、「つくる会」教科書の採択はありえないことが、ハッキリとしてきているが、調布市の場合、5名の教育委員のうち2名が常に「つくる会」教科書を推し続けるという、ギリギリの不採択だったうえ、4年前と違って、一人ひとりの委員が意見をきちんとのべることもなく、また無記名投票に徹しており、「つくる会」教科書を推した委員がだれなのかは、想像はつくものの確定することができなかった。集会では、こうした問題点を検討し、今後に備えることを考えている。
 
 集会の予定は次の通り。

 「調布・子どもと教育を考える市民会議」 報告集会

 調布の教科書はいかにして選ばれたか?
       ~「つくる会」教科書は再度阻止したけれど~

 日時:2005年9月16日(金)18:30~21:00
 会場:調布市文化会館たづくり1002学習室
 内容 *全国・都内の情勢(富永)
     *市民会議は何に取り組んできたのか(富永)
     *教科書はいかに選ばれたか (傍聴したみなさんから)
     *教育委員が選んだ教科書はどんな教科書か
      ~歴史・公民『東京書籍』の場合~(富永)
     *今後の課題・これからの「市民会議」 (参加者みなさんで) 

              

もっと先生と保護者で話したい  委員会を傍聴して④

  もっと先生と保護者で話し合いたい
     教科書問題を政治の問題にするな!

          富永 りか

 扶桑社版教科書が不採択、ということが決定した瞬間、ほっとした空気が傍聴席に流れました。
 けれども、傍聴の時間が終わって出てきた多くの仲間たちは、不採択になったことを喜んでいるよりも、むしろ、あまりにもお粗末な審議の有り様に対する不満、様々に浮き彫りになったこれからの課題を次々に口にしていました。

 私は改めて、みんなの問題意識の高さを実感した思いでした。そして、それは長い時間をかけてみんなで培ってきたものであることも。

 そして、何人もの方々が言われていたことですが、これからはぜひ、先生方と同じテーブルについて話し合いたい。その思いを強く持ちました。今現場はどういう状況なのか、そこで悩まれていることは何なのか。

 教科書の問題を、政治的な問題に帰するようなことになってしまっては、何にもならないような気がします。教育委員会の在り方を含めて、私たちが望んでいる教育の在り方というものをみんなで出し合い、考えあいたい。
 それには、もっともっと先生方や保護者が話し合える機会を作らなくては、と思います。

伝わってこない先生たちの声  委員会を傍聴して③

   伝わってこない先生たちの声
        不可解なことだらけの教科書採択

            浅野智子

 子どもたちの充実した学びを保障する」という目的から考える時、とても不可解なことだらけでした。 

 一つは、教科書は読本として配られるのではなく、授業の中で使われるものなのに、授業者である先生たちの声が全く伝わってこなかったことです。
 教科書を教材とした授業の中身や質が最もストレートに子どもたちの学力に結びつくのだと思うのですが、<学力テスト>の結果を大変気にしている割には、教科書だけを切りはなして考え、先生たちの声はまるで封じこめられてしまったかのようです。

 ・見本を5セットしか用意しない
 ・各学校3日間しか先生たちは見られない
 ・各教科の先生すべての欄が埋まらないと意見が提出できないシステム

 「学力をつけたい」「よい教科書を選びたい」と言いながら、先生たちの声をあえて吸いあげにくい条件に設定している大きな矛盾が浮きぼりになっていました。

 もう一つは、「選ぶ」ために最低限必要(常識的に)とされる意見の交換が見られなかったことです。「私はこういう点で〇〇社を選ぶ」--これすらも伝わってきませんでしたが、各委員の中には一定あるのだと思います。
 委員会として選ぶということは、その<こういう点>という見方が客観的なものかどうかを全員で検証することであるし、Aさんの<こういう点>とBさんの<こういう点>のどちらを重要視してゆくのか全員で比較検討することだと思うのですが、一切一人一人の胸の内に秘められたまま、粛々と多数決の作業が進むばかりでした。
 これは「会議」なのでしょうか。

 教科書はその教科の専門家である先生たちにそれぞれ選んでもらいたい。少なくともその意見がしっかり集約されたものを各教科の調査研究委員長が資料とし、それが会議のベースになるようにしてほしい。
 「ばかにするな」という先生たちの声がきこえてくるようです。大切にすくいあげ、市民の願いと重ねられることが、次の採択に向けた一歩だと思います。

杉並・みんなの会が撤回要求

 杉並の教科書採択について、「杉並の教育を考えるみんなの会」は、19日、区教委に対し次のような要望書を提出した。
                          2005年8月19日
杉並区教育委員会教育長 納冨善朗様
杉並区教育委員会教育委員長 丸田頼一様
杉並区教育委員 各位
                     杉並の教育を考えるみんなの会                             

           要請書

8月12日、杉並区教育委員会は多くの区民、及び教員の声を無視して、扶桑社版「つくる会」歴史教科書を採択しました。私たちは心の底から強く抗議するとともに、下記の通り要請するものです。

<要請主旨> 扶桑社版「つくる会」歴史教科書を「採択」を撤回し、審議のやり直しを要求する。

<理由>
1、扶桑社版「つくる会」歴史教科書は、以下の点でたいへんバランスを欠いている。古代で神話に3ページも割いた反面、中世が他社本より6ページもうすく、アジア諸国に凄惨な被害をもたらした日本の近現代の侵略を肯定的に美化して描いているうえ、東京大空襲、原爆投下についてはわずか2行しか記載せず、加害も被害も含め、子ども達に伝えるべき、戦争の実態を伝えていない等多くの問題を抱えた特異な歴史教科書である。

2、教育委員会によって、教員の調査報告書を書き直させるという事件が発覚した。教師たちに圧力をかけ、何がなんでも扶桑社版「つくる会」教科書を採択させようという強い意図があらわれている。調査報告書や区民アンケート、教育委員会への要請等でも「つくる会」教科書への批判の声は非常に高かったにもかかわらず、区民の声や現場教員の声を無視した採択がなされ、大きな不信・疑惑を区民に招いている。そのような環境下での採択であったこと。

3、 教育委員会における各委員の発言は、公正で自由であるべきであるにもかかわら ず、扶桑社版「つくる 会」教科書の執筆者である藤岡信勝氏自らが、一委員の > 発言に対して直接公開質問状を送り付け、マスコミに送付し、圧力をかけ、また、当日の委員会に傍聴者として出席し、圧力を加えるという暴挙を行っていた。公正な審議を大きく妨害される環境下での採択であったものといえる。これは、「教科書の編集者・著作者が採択に関与することを排除」するとした文部科学省指導にも抵触し、公正取引委員会告示第5号「教科書業における特定の不公平な取引方法」にもあたり、不当不公平な採択であったと言わなければならない。

4、扶桑社版歴史教科書は韓国併合を「日本の安全と満州の国益を防衛するために、韓国の併合が必要であった」と記述し、韓国の人々に怒りと悲しみを生んでいる。瑞草区庁長趙南浩(チョ・ナムホ)氏も「事実と異なった記述がされている扶桑社版教科書が採択されないよう心から願っている」と語っておられる。区内中学生が韓国ソウル市瑞草区訪問から帰国したその日に、扶桑社版歴史教科書を採択したことは、韓国訪問の成果を失わせ、歓迎して下さった瑞草区の方々の好意を踏みにじる事になり、日韓交流に百害あって一利なしである。

5、「つくる会」教科書は全国でわずか1%程度の採択に留まるという見通しである。 原水禁運動発祥の地にして平和都市宣言をしている杉並で、区民の意見を無 > 視し、扶桑社版歴史教科書の「採択」を強行したことは、生徒、保護者、区民に不安と不信を与えた。他区校や私立校への通学を考える家庭もあると聞く。多くの区民に不安と不利益を与え、教育業務も混乱させている。> > 6、一致点を見出す努力を重ねる合議制を基本とすべき委員会審議であるべきにもかかわらず、3対2という採決を強行した結果、採択したこと。

以上の理由から、速やかに今回の採択を撤回し、審議をあらためてやり直すことを要請します。

 

Saturday, August 13, 2005

杉並・親の会が抗議声明

 杉並区教育委員会は、12日、「つくる会」扶桑社版教科書の採択を決定したが、「『つくる会』の教科書採択に反対する杉並・親の会」は、「戦争賛美の教科書は絶対に使わせない。直ちに撤回運動を始める」と訴える次のような声明を発表した。

  抗議声明

 本日、杉並区教育委員会は、扶桑社版「つくる会」の歴史・公民教科書を採択するという暴挙を行いました。私たちは、満身の怒りをもって抗議し、直ちに採択撤回のたたかいにはいることを宣言します。
 杉並教育委員会は、再三再四にわたる私たちの申し入れを無視し、全国各地から寄せられた採択反対の声、区役所前に集まった人々の心からの願い、3万筆にのぼる署名の重みをことごとく踏みにじって採択を強行しました。憲法と教育基本法を侵害し、正義と良心に背いた行為です。子どもたちの学ぶ権利を侵害し、平和で自由な未来を奪い、戦争への道に手を貸すという取り返しのつかない重い罪を犯したことを自覚すべきです。

 今日まで、全国では大田原市と都教委の直接採択区以外では一地域も「つくる会」教科書採択を許していません。このような状況の中で、杉並区があえて採択を強行したことは、杉並の歴史における最大の汚点、恥ずべき行為、区民にとっては大変な不名誉であると断言します。

 杉並区教育委員会は「つくる会」教科書を何が何でも採択させようという山田宏区長の強い意向を受けて、採択制度を変え、その採択権限を強め、現場教員の意見を極力排除するようにしました。その上、現場の教員の専門的な知識に基づく所見を採択日の一週間前になって強制的に書き換えさせたという事件も判明しました。決して許されるべきものではなく、明らかに犯罪行為です。

 また「つくる会」の教科書は、内容において教科書として不適切であるばかりでなく、出版元の扶桑社は不正行為を繰り返してきました。また前回4日の審議で採択を阻まれた「つくる会」は、焦って代表執筆者自らが名を連ねて、採択審議の最中に教育委員の一人を「公開質問状」などという形で圧力をかけるまでに至りました。すでに4日の審議において、現場教員、区民誰一人採択を望んだ者はなく、委員の論議も扶桑社教科書不採択に流れていました。その流れをまったく無視し、非民主的な本日の不当極まりない採択を決して認めるわけにはいきません。

 杉並・親の会は、応援して下さった区民、全国の皆さん、韓国をはじめ世界各国の皆さんに心から感謝します。
 私たちは直ちに撤回運動を始めます。署名で、裁判で、集会で、あらゆる知恵を絞って、あらゆる場所で。不採択運動を通じて作り上げた連帯の力は、必ずや、採択撤回を実現するものと確信します。最後に、本日の「つくる会」教科書の不当な採択に強く抗議し、撤回させるまでたたかうことを宣言します。
      2005年8月12日

         「つくる会」の教科書採択に反対する杉並・親の会

Friday, August 12, 2005

杉並が扶桑社版歴史教科書を採択

  杉並で「つくる会」歴史教科書を採択 
    900人傍聴の中で 3対2

 東京都杉並区の教育委員会は12日、来年度からの中学歴史教科書に、「新しい歴史教科書をつくる会」のメンバーが執筆した扶桑社発行の教科書を採択した。
 4日の委員会で、「扶桑社版は戦争を賛美しているか」をめぐって委員の意見が割れ、継続審議となっていたが、教育委員5人のうち3人が支持、採択が決まった。
 対象となる同区立の中学、養護学校は24校、生徒は1学年約2000人。

同区では4年前の採択でも扶桑社版賛成の委員が2人おり、今年はこれが3人になったもので、調布でも同じことが狙われている。杉並区民を中心に反対集会をが開かれたり、ビラまきがされたりしたが、「つくる会」の教科書執筆者は、4日の委員会で扶桑社版を批判した委員に公開質問状を送付。同区教委や区長に手紙を送るようホームページで呼びかけたりした。
 この日も20枚の一般傍聴券に約930人が並び、音声だけが流れる別室で約800人が傍聴した。

Saturday, August 06, 2005

なぜこんな無責任な方法に? 委員会を傍聴して②


   なぜこんな無責任な方法に
       意見を言っていたのは仙名委員ひとり…

                庄司洋子
  
 傍聴して不思議だったのは、なぜこんな面倒くさい方法をとらなければならないか、ということでした。
 とにかく面倒くさいやり方、つまり5人の投票を繰り返すのです。
  歴史教科書は最初8社の中から、3社に絞るはずが、同数が出て、5社になり、5社から4社、4社から2社、2社から1社と計4回の投票をやったことになりました。公民も計4回の投票をやりました。

 なぜ4年前と異なり、こんな面倒な、そして誰がどこを選んだのかわからない無責任な無記名の投票を決めることになったのでしょうか。
 各教科毎、審議の後、挙手の採決で決めればいいのにと思ったのですが、「扶桑社に賛成しなかった委員けしからん、という逆のプレッシャーもかかる場合もあるので、一概にこのやり方がおかしいとはいえないのではないか」という意見もありました。

 3日間を傍聴しての感想ですが、どの教科にもきちんと意見を言っていたのは、仙名委員1人。関口委員長、菊地委員は本当に何回かしか意見を言いませんでした。

 先日、あきるの市の教育委員会傍聴記を読みましたが、そこには、次のような報告がありました。  

 「司会の教育委員長は、社会科のまとめとして、ドイツの元大統領の有名な言葉を引用して『過去を見つめる勇気』と『お互いに分かり合う粘り強い努力』の必要性を訴え、『社会科の学習を将来につなげてほしい』と結びました。」
 「ま た、『扶桑社版以外の教科書は自虐的だ、と言うが、自虐的ではない。問題の扶桑社版・新しい歴史教科書をつくる会の教科書は、結論を急いで乱暴すぎる』と批判しました。」

 調布市教育委員会での議論の中身との差に愕然となります。

 4年前の採択時にいたのは仙名委員だけです。教育長、関口委員長、新田委員、菊地委員の4人は入れ替わっています。
 4年前の方が、総じて活発な議論がされたように思います。
 教育委員会がどんな人たちで、構成されているのか大事なことです。以前にも書きましたが、今回5名の委員の内、毎回2名は扶桑社に票を入れています。 あと1人が扶桑社支持にまわれば逆転されていたわけです。
 傍聴を続けて、改めて教育委員に、きちんと見識のある人がなることの大切さを思いました。

 今回の教育委員会の採択について、ご意見をお寄せください。                     (編集者)

恐ろしさ痛感した教科書採択-委員会を傍聴して①

 
    恐ろしさ痛感した教科書採択
              -重大な決定に議論なし

                     石川康子(布田2丁目)

 扶桑社採択という最悪の事態は避けられたものの、公民ではたった1票の差でどちらに転んだかわからないという危ういものだった。この重大な決定がほとんど議論もなく、機械的な投票の繰り返しで行われたことの恐ろしさを痛感した。

 教育には何の経験もない委員たちが、突然教科書を選ぶ。しかも全教科の。ほとんど発言しない委員もいた。特に委員長は形式的な手続きに終始して、その意見はついにきくことができなかった。恐らくは政治的な理由で執拗に扶桑社を選んだ委員がいたことが、無記名であっても何回も繰り返された投票結果から推測された。

 それにしても、あぶないといわれた調布のこの結果、そしてまだ最終決定には至らないが杉並の意外な成り行きは、市民の活動の成果だろう。前回にはきちんと発表された市民からの意見表明については今回はまったく言及されなかったけれども。金と権力がついていても扶桑社は負けた。

 それにしても漁夫の利を得たのは東京書籍だろう。
 すべてを読み比べたわけではないが、日本書籍新社のものは少なくとも東京書籍より数段質が高いと思った。現場の教員が選んでいた時には最大シェアを占めていたことに納得がいった。
 教科書はそれを使う者が選ばなければ使いこなすことも難しいだろうと思う。わたしも教員のはしくれなので。

   今回の教育委員会の採択について、ご意見をお寄せください。
                         (編集者)
   

        

Friday, August 05, 2005

内容抜き? 意見なし? 分かるの? 審議に疑問続々

  内容抜き? 
     意見なし?
        分かるの? 
   教育委員会採択の審議に疑問続々…

 5日の委員会審議で特徴的だったのは、扶桑社版がずっと2票を確保し続け、しかもそれへの評価が全く見えなかったこと。傍聴者の間からは、「なぜ内容についての意見がないのか」「固定した2票は、今後もう1人替わると教科書が変わってしまう危険が見えた」などの声が聞かれた。

 この日の審議で、委員長は「ご意見はありませんか」と聞くのだが、意見が述べられたのは、仙名委員が、歴史、公民、保体、家庭、外国語の審議で意見を述べたのを例外として、意見は極めて少なく、歴史で仙名、新田、榎本、地図、理科、技術、外国語でそれぞれ1人の委員が意見を述べただけ。焦点の扶桑社版についてこれを支持しているのではないか、と思われる意見は一つも述べられなかった。

 しかも、問題だと思われたのは、内容にわたる意見よりも、「方針が際だったユニークなものがある」「事実から学び、課題学習ができる教科書を選びたい」などと、形式的、抽象的な意見が述べられるだけで、「この教科書はこの点で優れている」「この教科書の問題はここだ」といった具体的な指摘は、委員からは全く出なかった。

 そして、意見はないままでも、投票が繰り返され、「最も働いていたのは、投票箱を持って回った女性職員。1周約40歩で、繰り返した投票も約40回」という指摘もあるほど。投票では、技術・家庭の教科書で技術と家庭が別々になっていることを危うく忘れたかのような委員長の発言もあり、傍聴席からは、「わかってやっているのかなあ」の声や、「現場を知らない教育委員がこういう形で決めることが問題。もっと現場の教師に任せなければ…」といった声が出ていた。 (M)
 
 皆さん! 
 傍聴で感じたこと、教育委員会に望むこと、この際言いたいこと
 ご意見をお寄せ下さい。



 

扶桑社版教科書採択を阻止 審議に傍聴のべ230人 

 
   扶桑社版教科書採択を阻止

       3回の審議に傍聴のべ230人
      採択作業の問題点も多々明らかに

 調布市教育委員会の第6回臨時会は、5日午前、グリーンホール・小ホールで開かれ、社会科、理科、数学、音楽、美術などの採択が行われ、注目の社会科では、歴史、公民部門で候補に残されていた「新しい歴史教科書をつくる会」による扶桑社版教科書の採択はかろうじて阻止された。3回の審議に対し傍聴に駆けつけた市民は述べ230人余。市民の良識が教育委員会の審議にも反映されたことになった。
 しかし、教育委員が内容について何も発言がないのに、常に扶桑社に2票の採択意見が入るなど採択の問題点は、残されたままで、今後の課題となっている。

        歴史は2回目で候補から外れる

 この日の委員会には、市民約90人が傍聴。社会科の教科書採択に入り、まず地理の教科書で帝国書院が採択された。続いて、歴史の審議に入り、前回までに残された東京書籍、清水書院、文教出版、扶桑社、日本書籍新社を対象に審議。5社を2社に絞り、のちに1社にする方式が提案された。
 このあと、3人の委員が意見を表明、2社に絞る投票が行われたが、東京書籍3、日本文教出版、扶桑社、日本書籍が各2票、清水書院1票となったため、今度は4社で投票、この段階で東京書籍と日本文教出版が各3票、扶桑社、日本書籍が各2票となり、ここで扶桑社は外れ、上位2社で投票の結果、東京書籍3,日本文京出版2で、東京書籍に決定した。
 引き続き、公民についての審議では、東京書籍、扶桑社、日本書籍の3社に絞られていたため、投票したが、東京書籍と扶桑社が各2票、日本書籍が1票となり、これも上位2社で投票、東京書籍が決まった。
        数学-学図、理科-大日本、音楽-教育芸術
        美術-日本文教出版、保体-学研
       、技術家庭-東書、英語-三省

 このほかの教科書採択では、地図は帝国書院、数学は学校図書、理科は1,2分野とも大日本図書、音楽は一般、器楽とも教育芸術社、美術は日本文教出版、保健体育は学習研究社、技術家庭は技術、家庭とも東京書籍、外国語(英語)は三省堂が決定した。



 

Wednesday, August 03, 2005

5日の委員会で採択へ

  ◎8月5日、いよいよ教科書最終決定
        みなさんぜひ傍聴しましょう!
いよいよ8月5日、歴史・公民を含む全教科の教科書が決まります。
 歴史・公民では絞り込んだ数社の教科書に扶桑社が残っており、油断なりません。ぜひ傍聴にご参加下さい。そして、傍聴しての感想もぜひぜひお寄せ下さい。
 教科書ネット21の俵義文事務局長からの情報では、現在までのところ、大田原市以外の採択区で扶桑社教科書採択はおこなわれていないとのことです。
 28日に都教委が強引に採択を強行したのも、扶桑社採択に弾みをつけようとした政治的パフォーマンスです。「つくる会」がめざしていた、採択率10%をめぐる攻防ではなく1%をめぐる攻防になっているとみられます。大田原でも相当な圧力があったとみられています。まだまだ「つくる会」採択はごく少数です。
 調布が、「特殊な地域」に名を連ねるわけにはいきません。
 あれだけ広い会場があふれるほどの、市民の関心の高さを示しましょう。
             調布・子どもと教育を考える市民会議・富永信哉

【8月1日の教育委員会傍聴記】
 8月1日に開かれた2回目の教科書採択のための臨時教育委員会。
 1日は、歴史・公民の採択が行われないことはわかっていたのですが、私たちの関心は高さを示すためにも、そして教育委員による採択にどれだけ無理があるかを全国にお知らせするためにも、多数で傍聴しましょうとよびかけ、60人余りが参加しました。
 以下、傍聴された庄司洋子さんと富永りかさんの傍聴記・記録をご紹介します。
 仙名委員が、調査研究資料から現場教員の声が見えない、という趣旨の発言しているのは、今後に向けて重要な意味をもつと思います。

 ▽庄司洋子さんの傍聴記
 教科書採択のための臨時教育委員会2日目が8月1日に開かれました。傍聴者は60名くらいでした。
 午前中は音楽、美術、保健体育、技術家庭の4科目、3社の教科書の検討があり、午後1時からは英語、6社の検討が始まり、計5教科の検討が行われました。
 音楽、美術、保健体育、技術家庭は教科書会社は3社づつなので、国語や社会のように、投票で絞り込むことはしませんでした。
 最後の英語は、6社の中から投票で、3社に絞り込みました。これで2日かけて、9科目すべての検討、絞り込みが終ったことになりました。
 最終日8月5日に、5人の教育委員によって、1教科づつ、2~3に絞り込んだ会社から、投票によって最終の1社を決めるということになります。
 2日目の審議を聞いていても、疑問は膨らむばかりでした。
 実際に教科書を使って教える先生たちが、なぜ教科書を、選べないのか。
 教科書がよいか、悪いか、その教科を教えるため専門的教育を受けた先生たちが、一番よくわかるはずで、教壇に立ったこともない教育委員が、それも9科目200冊以上の中からどうして選ぶことができるのでしょう。だから、「写真が多くてみやすい」「レイアウトがいい」というような質問しかでてこないのでしょう。
 こんなやり方で、こどもたちの教科書が決められていくことのおかしさをつくづく感じました。
 5日はいよいよ最終決定です。東京書籍に5人の委員が票を入れましたが、確信犯的に扶桑社を推す委員が2名いることも、27日の傍聴ではっきりしました。
 安心はできないように思います。最終日5日にも是非傍聴に行きましょう。

                           庄司洋子

 ▽富永りかさんの「英語」協議傍聴記録(メモより再現した議事の様子、文責:富永りか)

 小林調査研究員長 指導要領では年間105時間。
   東京書籍 身近な場面を多くとりあげている。
   開隆堂  世界の国々と日本。見やすい構成。
   学校図書  現代的な課題。福祉や環境について。アルファベットを点字で表示するなど、新しい要素が。 
   三省堂 福祉、環境、平和。興味や関心に則て。
   教育  単元毎の目標のチェック。復習しやすい。
   光村   ひとつの物語を通して。生き方、感動すること。復習しやすい。
 仙名委員 東京書籍の活動学習、というところで、1年生にはあまり配慮がなされていない、ということが書かれてあるが。
 小林 1年生においては、課題解決、というところまではなかなかいかないのでは、というところがあるので、あまり配慮されていない、ということがあるのかもしれない。
 榎本教育長 学力テストの結果などをみて、特に力を入れるべき分野はあるか。
 小林 学力テストは、どの部分においても、平均を下回っているから、特に、というところがあると    はいえないのでは。コミュニケーション能力、話すこと聞くこと、ということには配慮したいが、それは指導要領で書かれてあることなので、どの教科書も重点がおかれている。
 新田委員 学力テストの結果は、書くこと、が一番悪いのではないか。それを重要視すべきではないのか。
 小林 特にそこだけを重点化する、というのはいかがか。
 仙名 私はあまり学力テストの結果がどうのこうの、ということはあまり言いたくない。生徒が理解し   やすいもの、バランスがよいものを、と考えている。そういう意味で、三省堂のものは個人的には良いと思っている。三省堂は、資料説明が少ない、とあるが。
 小林 資料の説明があまりなされていないのは確かだが、その資料は、さほど資料準備に多大な  時間が要求されるようなものだとは思えない。
 榎本 開隆堂について、分量が多い、というような指摘があったようだが。
 小林 新単語数は、1004語で、他の教科書よりも多い。指導要領は900程度、とあるので、それよ  りも104語多いことになる。しかし、どの教科書も、900以上はある。
 関口教育委員長 三省堂、光村、どちらも良いと思う。調布には、恵まれない子どもたちも多いので、家族のことから離れた方がいいのでは、と書いてあるが。
 小林 そういう生徒さんにも配慮して欲しい、という程度のことだと思うが。
 仙名 現場の先生方のお考えなのかどうか。そこに苦慮されている、ということなのかどうか。光村の  つくりが、家族の動きをずっと追っていくものなので、そのような指摘がなされたのか。
 小林 光村の構成が、ひとつのストーリーになっているので、家族、という問題についてはインパクト  が強いのは確か。しかし、教員からは、そういう問題点としては入ってきていない。指導の仕方、ということになるのでは。
 仙名 東京書籍の問題点が指摘されているが。
 小林 2年生でとりあげる2つの話についてだと思う。しかし、これはたまたまキリスト教に関する話  が2つ続いているのであって、特に問題があるとは言えない。
 仙名 答申に問題があるのではないか。ハロウィンやマザーテレサはよくて、2つ宗教的な話が続い  たから宗教色があってよくない、というのではいかがなものか。こちらは、答申をもとに、ここが問題とされているところなのか、ということを見当をつけながら、何が問題なのかを懸命に考えているのに、こういうことでは、困る。
 小林 おっしゃるとおりで、たいへん申し訳ない。今後、こういうことのないようにしていきたい。
 新田委員 光村は、国語と同じ教材を使っているが、同じ教材であることのメリットはあるのか。
 小林 国語でも同じこたえだったと思うが、相互作用については、さほど大きく関わるとは思えない。同じことで、理解しやすいところもあるし、初めて英語で出会うことにも意義があるのではないかと思われるので。